路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

9話『お前はお前の道を外れた』

ぎゃー!加賀美が変身しましたよ!もう、それだけで燃えでエライことになってますよ!ひゃっほーい!


前回の終わりから引き続いて、カブトvsザビーです。ザビーのほうが押しているように見えますが、やっぱりこれは天道のほうにやる気があまりないからかな〜。「とりあえず、落ち着くまでは相手をしてやるか」的な余裕を感じます。


そして!天道が加賀美を庇いましたよ…!庇ったというか、助けたんですけど!天道はあそこに居たのが誰であっても助けたんでしょうね。前回、影山を助けたのも「失敗した」と思っているのではないかと書いたのですが、だからこそ、今度は誰かを傷つけたくはなかったのではないでしょうかね。
ただそれが博愛の精神では恐らくなさそうというのが、天童が天道たる所以だと思ってます。天道って、きっとある意味でものすごく傲慢で、天の道を行くという名乗りの通り、天下のものは全部自分のものだし、自分が成し遂げられないことはないと思ってる感じがします。だから例えば影山の件に関しても、「本当は無傷で退けられるはずだったのに、失敗」とか、本当なら怪我なんかさせなくてもなんとかなったのに、悪いな、と言うことで豆腐を分けてやるという行動に出るのではないかなぁ。って、これじゃ先週分の感想だ。
なにはともあれ、天道にとってはきっと全てが自分の庇護下にあるもので、だからこそ「助けた覚えなんかないけどな」という発言に繋がるんじゃないかな。あれは天道にとっては「助ける」などという特別なことではなく、「自分のものを護る」というごく当然のことをしているという意識しかないんじゃないかと。


ただ、これは後述しますが、戦っていた相手がワームではなかったからなのかも、という気もします。


加賀美が駆け寄ってきた時には平気そうな顔をしている姿に、また燃えですよ!その後またすぐ倒れちゃったところを見ると、本当に結構ダメージは受けてたんだと思うんですよね。それでもちゃんと立ち上がって、加賀美を一安心させるところが天道だなぁ。でもその後倒れてたら意味ないぞ?


加賀美は矢車への心酔が揺らいでますね。完全調和という理念にはとても賛同できるんだけども、矢車自身の天道への敵愾心や、隙を突いて攻撃するような姿に、思い込みが揺らいできているというところでしょうか。
矢車が天道を倒そうとする理由なんですが、もちろん組織から外れたところに大きな力があってはまずいと言うのが一つあるんでしょうけど、もう一つがいまいち解りません。「俺が俺でなくなってしまう」という辺りが。カブトというか天道が矢車の存在意義を否定するようなことは特にしてるようには見えないというのもありますけど。あれかな、むしろその辺は矢車の思い込みというか強迫観念に近いところで、そういう観念を持ってしまった余りに、チームを統率することを忘れ、矢車自身の理念から外れたことをしてしまったのがザビーゼクターに愛想をつかされる原因になってしまったという皮肉なのかな。「俺が俺でなくなる」と危惧したことが原因で本当に「俺が俺でなくなった」というのは、因果は巡る糸車って感じですね。はっ!矢車の車は、糸車の車か?!いや、それは冗談ですが。


チームとしての精鋭であるはずのシャドウですが、トップが居なくなると途端にメタメタになってしまってましたね。ただひたすらカブトを倒そうとするザビーに、指示を求めるシャドウ隊員が切ない…。
加賀美は、元々チームプレイの素養があるから、完全調和の理念には馴染みがあると言うのは前に書いたんですが、矢車の言う完全調和と、加賀美の言う完全調和には、なんとなくなんですけど、ちょっとだけ温度差を感じていたりもします。野球にたとえるなら、矢車は監督でシャドウは選手たち、加賀美は選手の一員でキャプテンという感じ。単に今まで矢車の下で十把一絡げになってたのでそういう印象になるのかもしれないですが。
何はともあれ、加賀美は「ワームを倒したい」「仲間を死なせたくない」という一心でワームに挑み、ザビーゼクターに選ばれたと。ザビーゼクターって、そうすると女王蜂みたいですね。自分の仲間(女王蜂にとっては家族)を大切にしない人間にはさっくり愛想を尽かすんだ…。そしてライダーでありつづけるためには、常にゼクターの信に足る人間でないとならないということなんですね。加賀美はチームプレイをよしとする人間なんだし、そりゃぁ単独行動が基本(であろう)のカブトゼクターには選ばれなくても仕方がないか。


それはともかく、加賀美の変身ですよ!正直、予告を見た時点では、変身できなくて吹っ飛ばされるんじゃないかとか思ってました。すいません。腕から徐々に変身していった時のあの興奮と言ったらもう!思わず叫んじゃいましたよ!これで念願のワームを倒す力を手に入れたよ、加賀美!
しかし、今回は仲間を護りたいと思った加賀美の想いにザビーゼクターが応えたってことで変身できたけど、加賀美って結構スタンドプレーに走りがちだからなぁ。いつまで保つのか、地味に不安。


とりあえず、壁の穴から加賀美が戦うところを見て、しかし自分はワームを追っていくカブトにドキドキしました。あの時点では加賀美はザビーゼクターは手にしていなくて、いつワームが脱皮するかも知れないし、そうしたら加賀美たちの命は風前の灯なんだけど、それでも今目の前の脅威であるワームを追うと。加賀美なら何とかするだろう、的な信頼感があったんだとしたら尚燃える。
このある意味残酷なシーンを入れるのは、天道の「道」を描写するものとして、必要不可欠だったんでしょうね。天道の道はワームを倒すことであって、その時に他にカブトの力を必要としている者があっても、見捨てる可能性がある、という感じで。ひよりの記憶に出てきた、ベルトを巻いた男の子にひよりが『殺さないで』と叫んでいるシーンも、同じように壁の穴から男の子の姿が見えているのが印象的。ひよりの過去のことはまだ他にも出てきていない状況があるのでしょうが、ちょっと気になりますね。


そうそう、そう言えばどうしても気になることが。冒頭のザビーとの闘いで倒れた天道は、救急車で運ばれたんだと思いますが、その時は白いシャツを着ていたのに、診察のときには黒いシャツになっていたのは、なぜ?やっぱり加賀美にパシリさせて買ってこさせた?
ついでに、病院で勝手に始めた炊き出し、鍋やら何やらかにやらは全部自宅から運んだんじゃないかと思われるんですが、それの運搬なんかも加賀美は駆り出されてたんですね?ひよりもだろうけど。なんだかんだいいつつ、付き合いのいいひよりと加賀美に萌え〜。