路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

Task.10「消えたボウケンレッド」

 初夏のパワーアップ第二回。前回のミッションで手に入れた波右衛門の人形を巡る攻防と、SGSという組織の不透明感、逆説的に描いたに蒼太からチーフへの信頼と、あれやこれやでてんこ盛りですよ。今回は今回で内容が詰まりすぎていて纏めるのが大変。


 前々からSGSの胡散臭さは見え隠れしていたわけですが、今回は輪をかけて胡散臭いですね。まあ確かに波右衛門の人形がプレシャスだとは言ってなかったけどな。理由も言わずに焼却処分ってのは、やっぱ無いよなぁ。


 今回印象的なのは、やっぱり蒼太からチーフへの信頼感の強さですね。いつも飄々としている蒼太が「裏切られた」と思った時に感情的なところを垣間見せるという形で、逆説的にチーフへの信頼の強さを表現するのはなかなかひねりが効いてて良い感じです。ただそれも、ちょっと崇拝入ってるんだよね、蒼太の場合。それが良いか悪いかは別にして、とにかく蒼太の中では明石暁という人間が絶対的なものとして君臨してるっていうのがよく解る。それこそSGSに所属してから今まで「チーフのすることに間違いは無いよ」という勢いで心酔していたんですな、蒼太さんは。それをストレートな心酔じゃなくて「裏切られたときの失望感」で表現するのがにくい。
 元スパイで、疑うのが稼業みたいだった筈の蒼太が、何をどうやったらここまで入れ込むようになったのか、って辺りを想像すると萌える。超萌える。職務に忠実であろうとする余りか、蒼太ほどではなかったにしろさくらねーさんも同様にショックを受けてたし、やっぱり初期メンバー話は気になるな〜。


 蒼太のどこか危ういまでのチーフへの傾倒ですが、それと対照的だったのが真墨で、真墨から明石への信頼描写があったからこそ、蒼太の危うさも浮き彫りになるし、チーフの行動の謎さ加減にも磨きが掛かるという、実にきれいな対比が成立してましたね。
 真墨は、もともと明石を越えてやる、っていうスタンスなので、逆に一歩引いたところからそこそこ冷静に明石を見られるんですよ。前回の「折鶴の忍者」で、ヤイバとの対決を許した明石を知ってるからこそ、その裏にあることを掴もうとする姿勢に、こっちはこっちで萌え。さくらねーさんは「きっとチーフにはチーフの考えが」とは思いつつも、結局「裏切られた感」が強くて「裏にあるはずの考え」を信じきれないんだよね。その辺、やっぱり真墨ほどには冷静になれないか。
 こうして見ると、蒼太はちょっと依存入ってる感じ。なにもかも投げ打ってべったりって感じじゃないから良いんだけど、加減を間違えるとやばいよなぁ。


 対してチーフは、今回もやっぱり仲間第一なんだな〜と。いやまあ、自分のボウケンスピリッツ一番ってのはもちろんだけど、仲間は守るべき場所に置く、というスタンスも少なからずあるでしょうと。
 なんつーか、チーフって一回自分の懐に誰かを入れたら、とにかくその人を守るっていうスタンスなんだと思う。認めてないってのとは違うんだけどね。それはうまく回ってるときだと気にならないんだけど、一度不協和音が出てしまうとちょっともろいところなのかなとか思ってみたり。自暴自棄とかとは違うけど、やっぱり身体張っちゃうしな。


 今回はなんつーか、ガジャ様とリュウオーン陛下も楽しくてな!いやまあ、要はガジャ様がリュウオーンを利用してやろうってんで一時休戦なんだけど、なんつーかガジャ様が小悪魔っぽいっつーか。結局リュウオーンも妙に人が良い感じに見えなくもない。


 ロボ戦はまた派手だった!大邪竜二機だよ!そして換装の連続は燃える。こっちが駄目でも別の手がある!ってのはいいね。今回はクレーンとショベルが換装する前に壊れちゃったけど。轟轟剣を組み立てられないままやられるってのも、お約束破りでどきどきですよ。そして何より、とにかく退避を命じるレッドに燃え。いやまあ、今回は裏があるけどな。


 獲物よろしくずーりずーりと引きずれられていくダイボウケン、なす術もない四人。結果が解ってても何回見ててもこの辺はどきどきします。あああ。
 そして、チーフが居ないと解ったときに、崩れちゃうのが男二人なあたりがなんかこう。なんで逆じゃないんだ、なんで。(2008/03/08記)