路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

#17 レッスン/マイウェイ

 ルーク復活とか、話が大きく動き出したかと思ったら、ちょっと一息、な話でちょっと肩透かし。とはいえもう脂が乗りに乗ってる感じでおもしろいし、前回が余りにも辛すぎたからちょっと抜いてくれるのは視聴者的にありがたい感じ。
 とはいえ、解りやすいジェットコースターではないですが、結構転機になる話なんだがな。


アバンタイトル
 音也との約束って何!?なんなんですか、ガルルさん!音也との約束があるから渡を助けてんですか!?のみならず、幽閉されることすらも甘んじて受け入れちゃってるんですか!?バッシャー、ドッガのセリフからすると、音也との約束の為に渡を不可侵の立場にしてるのはガルルだけっぽいし!ちょっと過去編何がどうなっちゃうんですか!


■現代編
 渡の自覚がようやく全面に出てきたですね。渡は最初から自分が「こうだ」と思っていたものには裏切られ続けていて、実は結構過酷な状況にある子なんですよね。この世アレルギーは思い込み(思い込まされた?)だったし、音楽が好きな人に悪い人は居ないと思ってたら人殺し(ファンガイア)だったし、立派な人だと思っていたお父さんは結構ちゃらんぽらんだし、尊敬できると思った名護さんは自分のことを信用してくれない上に、知らないこととは言え自分を攻撃してくるし、師と思い定めた人はファンガイアで殺されちゃうし、初めてできた友達は誤解から擦れ違って絶交中、自分から面倒を見た人間は記憶を取り戻して交流のあった人たちを皆殺し、という。うーん、改めて書き出してみたら泣けてきた。 それでも渡は「表に出てみなくちゃ、頑張らなくちゃ」というんで人と関わって行ってた訳で、前にも書いたけど渡ってものすごい打たれ強さを持ってるんですよ。でもさすがにそれが挫けちゃった、と。むしろ今までよくもったよ。


 そんな訳で渡は家出。一応、静香ちゃんに心配を掛けないようにという配慮はあったところが、なんか妙に育ちのよさを感じますよ。それにしても静香ちゃんと恵さん、なんだかんだでちゃきちゃきと仲が良くなってるのが笑えるな。そういえば、静香ちゃんは大ちゃんがファンガイアで、しかも定食屋全滅させたの知らないよね?まあ、知ってることになってもいたずらに苦しめるだけだからいいんだけど、知らないってことは、まだ大ちゃんが元気にあのお店を手伝ってると思ってるかもしれないってことで、それはそれで切ないな。


 家出中の渡が出会ったのが倉沢さんと。いや〜、美人さんだ。いやまあそれはともかく。仲間がファンガイアに襲われて、恐怖からスランプになってるんですね。いや、無理もないと思うんだが、それ。
 ファンガイアに襲われて助かった、というあたり健吾とちょっと状況が通じるわけで(健吾は狙われてる、という段階で渡が正体に気付いて撃破したからちょっと違うけど)、もう既にレッドゾーンに足突っ込んでる人なんですよね。もう戦いたくないと言っちゃってる渡にはかなりキツイ状況。戦いたくはないけど、戦わなければ倉沢さんの命は風前のともし火だもんな。果てさて。


 結局恵さんに見つかってる辺り、家出とは言いつつも、行動範囲がいつもとそう変わらない範囲しか動かなかった(動けなかった?)渡は、とってもらしいと思ったんだけども。思ったんだけども思わず笑っちゃったっていう。
 渡の転機だとは思うのに、感想にキレがないのは、やっぱりあの人が全部持ってちゃったからのような気がする。


■名護さん
仮面ライダーキバの半分は、名護さんでできています」(笑)
 だめだ。もうだめだ。名護さんおもしろすぎる。久し振りにバウンティハンターの仕事をしたと思ったら、犯人よりもボタンを優先するのかよ!「俺のボタン……!」って、そりゃないよ名護さん。しかも逃げた犯人を徒歩……というか走って追いかけて、行く先々で追いついちゃう。ホラーだ。ホラーの世界だよ、既に!名護さん、最高です!
 本来は犯人を逮捕しなくちゃいけないのに、名護さんにとっての(自分が)正義の象徴であるボタンを奪うことに固執し、ファンガイアが出れば「俺の出番!」状態だし、でもキバを見つけるとファンガイアはそっちのけ。この、小学校低学年男子のような落ち着きのなさは一体どうか。


 これだけやってることは支離滅裂なのに、名護さん的には全然ブレてないのが可笑しいというか、悲しいというか愛しいというか。何度も書いてますが、彼はお父さんを死に追いやった自分は絶対的に正義である→そうでなければ父の死も間違っていることになる→故に自分は正しくあらねばならない→正しいはずだ→俺が間違ってるというならそう言う世間が間違っている、という思考回路の人で、今は自分が正義であるという状況を作ろうと必死なんだよね。
 一度正義を見失っていた時(警察に逮捕されたとき)は放り出しっぱなしだったボタンを、今回は執拗に追いかけているのが非常に象徴的。むしろボタンという形のあるものに正義を仮託していた分、形でしかないボタンを集めること=自分が正義であるという錯誤に陥ってる気がする。いつになったら目が覚めるんだろう、この人。


 とはいえ、前回パワードイクサ獲得して、キバを見逃すくらいに調子に乗って立ち直っていたように見えた名護さんが、またあっという間にダメ化していたのはどうしてかなぁ。あれか、イクサとしての自分には正義を取り戻した(つもりになった)んだけど、バウンティハンターとしての汚名をそそごうとして頑張ろうと思ったら、ボタンがうまく取れなくてキレちゃったのか。


 っつか、ガルルフェイクって!ガルルセイバー取られたー!!


■過去編
 過去編もちょっと緩めに。しかしゆり、あれだけ音也に辛く当たってるくせに、頼まれごとには音也を頼る辺りがちょっとやな女だぞ?というか、頼ってるというよりは微妙に下僕扱いな気もするんだが。なんかこう、あの当時ってアッシー君だのミツグ君だの全盛だった時期な気がするから余り違和感感じないんだけど。音也がまた惚れた女にはサービス精神旺盛なタイプだし。それでいて、ゆりを護るためならゆり自身に手を上げることも厭わない辺りがすげーカッコいいんだが。まあいい。


 ゆりの残酷なところは、その気もないのにデートで釣って音也を働かせるところじゃなく、かつてはバイオリンの教師をやっていた音也がなぜ辞めたのか、という理由を斟酌することなく、音也に女の子の指導を頼むところだと思う。
 アレだけ音楽が好きな音也が、敢えて音楽を教える道から遠ざかったのには、何か理由があるんじゃないかと思うんだけども、今のところ誰もそれを知らないんだよね。劇中人物だけじゃなく、視聴者もだけど。ファンガイアを見ても余り動じてなかったり、ゆりから武器を奪ったり、青空の会に近付こうとしたり、音也はもともとファンガイアに何らかの遺恨か、関係がありそうなのは前から描写されてたところ。音楽を教えるのを辞めたのも、その辺になんか関係がありそうなんだけどね。もっとも、ゆり自身は無自覚だろうけどさ。というか、自分以外にもファンガイアに遺恨がある人間がいるであろう可能性を、気付いてないか、無意識に考えないようにしてるか、って感じもする。
 もっとも、音楽が好きでも「教える」ことには向かない/気が乗らない人も存在する訳で、音也がそうじゃないという保障はドコにもないんだけども。


 とはいえ、ゆりとのデートというだけじゃなく結構まじめに女の子の面倒見てるよね、音也。酷い目にも結構あってるが。少しずつ女の子が心を開いている感じなのが楽しいです。
 それにしても、次狼との距離感が共闘を経てちょっと変わった気がするんだけど、気のせいか?やはりこの流れで「音也との約束」が効いてくるのか?ぬあー!気になる!


■記号
 ヘ音記号ですな。一般的には低音部をあらわすそうな。
 以前、6話の感想で

これはに楽譜全体に影響する、基準値と解釈するとしっくりきそう。「人間はみんな音楽を奏でてる」=「人には人の数だけ生き様がある」というのが基準値というか、根底だよ、と。そういうことなのかな〜。これが人の基部であるとするならば、ファンガイアにはファンガイアの基部があるわけで。その辺に踏み込むとしたらヘ音記号が使われたりするかもね。
 とか書いたんですが、ヘ音記号ヘ音記号で人間の生き方の基準値を表しているのかもね。ト音記号より低い音域ってことで、ト音記号が表している「生き様」の更に根底、「なぜそう生きるのか」という部分の基準を表してる……とかな。サブタイトルも「マイウェイ」だし、割と自然な解釈に思えるんですが、どっすか。


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