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路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

#43 結婚行進曲・別れの時

 うわぁ…。なんというか、渡と太牙でブラックサンとシャドームーンをやりたいんだろうか、やはり。色々なところと色々なものに決別を始めた感じですね。太牙だけでなく、渡の方もそんな感じ。偶然必然含め、周囲からのしがらみを切り捨て(させられ)て、着々と二人で手に手を取って逃避行エンドへのフラグを立ててる気がするんですけど、どんなもんなんだろう。
 今回の舞原監督は、やりすぎるとウェットになりすぎて辛いところを、やや乾いた雰囲気に演出してくれてる感じで個人的にはよかったです。この話なら石田監督か長石監督でも見てみたかったけど。って言ってたら、来週が長石のおじいちゃんか(笑) 残り話数的に長石→石田→田崎の流れで締めるのかな?でもそうすると石田組が詰まりすぎか…。長石→中澤→田崎かなぁ…。やっぱり締めは田崎監督にやって欲しいんだけど。


■太牙
 今回の(も?)可哀想大賞は間違いなく太牙ですね。弟を焚き付けて、育ての親を殺して、婚約者には裏切られて、ってどんだけ。まあこの事象に関して言うなら深央さんの件以外は全部太牙自身がやったことで、そういう道を選んでしまうような人生を送って来たのが不幸なんですが。でもどの件の根っこにも大きな孤独があって、その孤独の更に根幹の原因は自分自身にはほぼ無いわけで、それがやっぱり不幸です。しかし、その原因すら何者かの悪意が介在していたわけではなく、あくまでもボタンの掛け違え的なものによって為されたのが、全体を俯瞰するとやりきれない…。


 対嶋。
 結局、太牙は嶋さんに愛して欲しくて仕方がなかったんですね。ファンガイアである自分を人間である嶋さんは理解してくれない。でも嶋さんという個人(育ての親)には理解して欲しい。じゃあ、嶋さんがファンガイアになればいいんじゃないか、という論法なんじゃないかな。もちろん、キングとしての計算で「青空の会のトップをファンガイア化して殺す」という意図はあったかもしれないけど。おそらく後付けでそういう理由をつけて自分を納得させたんでしょうね。太牙がファンガイアやその掟に関して話すときって「べき論」ばっかりなんだもんよ。そうやってファンガイアのキングとしての自分を声高に叫ぶことでコンプレックスを払拭していたんだろうな。閑話休題
 それで、じゃあ実際ファンガイア化して嶋さんが理解してくれたかっていうと、これは結局理解してもらえなかったんですよね。太牙が理解して欲しかったのは、結局ファンガイアであることで得る「理解されない孤独」だったはずなんだけども、嶋さんが感じたのは「とてつもない力と破壊衝動」だったんですよ。しかもそれを「邪悪な力」と言い切っているわけで、これは完全に擦れ違ってる。
 そうやって分かり合えないからこそ太牙は嶋さんを殺さざるを得なかったわけで、本当はあのシーンは仮面の下で泣いてたんじゃないかな、と夢見てみますよ。


 太牙には嶋さんの命を奪ったことで、死亡フラグが立った気がするな〜。ただ一方で、嶋さんは悪意ではないにしろ太牙を本来の(ファンガイアである)太牙から捻じ曲げようとしていたという意味において、ある種のファシズムではあったわけですよ。その嶋さんを殺す=支配からの脱却=親殺しの物語という意味ではやや情状酌量の余地はありかな、と。
 それを考えると、結婚式のシーンと予告で太牙が紋章を隠す手袋をしてなかったのが印象的。人間という支配から逃れたという象徴じゃないかな〜とか。それで渡がファンガイアと人間の架け橋になれたら万事丸く収まるじゃないか!


 対渡。
 太牙って、本当に愛情の示し方を知らない子なんだな。キングであるっていう教育と、誰にも理解してもらえなかったというののダブルパンチで、人間関係を「支配下に置く」か「敵対する」でしか量れてない気がする。それなんで、自分の(支)配下にきてくれるんでなければ、キッチリ自分に向き合って、本気で向かってきて欲しいんだよね。(自分の力を甘くみられている、というプライドに関わる問題もあるかも知れんけど。むしろ男の子だし、支配者側の立場の人間だからそっちの方が強いのかも)
 兄だから、という属性を通して自分を見られるのは我慢ならないんだよ。これも結局、太牙の孤独と同根なのかな。幼馴染みとしての二人は、そういう関係が成立しないままに結んだ関係だったからかその辺が大分ましだったというか、真っ当だったんだけども。
 だからといって、渡を本気にさせる為に嶋さんをファンガイア化したってのは違うんじゃないかと思うけどね。対嶋の項で書いた理由が本筋で、結果論でしかないんじゃないかな。渡に「本気にさせてやる」って言ってたのは嶋さんをファンガイア化した後だし。どうせなら利用してやろう、位の気持ちはあったかもしれんけど。


 とはいえ、渡を本気にさせてないのは太牙自身の問題でもあるんだよなぁ。兄だとわかるまでは渡に対してごく普通に「登太牙」として接してたのに、事情がわかるといきなり兄貴風吹かせてる。まあそれだけ自分と繋がりのある相手に飢えてたんだろうけども、最初に兄というフィルタを通して渡と接したのは太牙なんだもんよ。
 嶋さんの愛情だって、きちんと受け取ろうと思えば受け取れたんじゃないかと思うし(良い方に夢見すぎだけど)、自分で拒絶しちゃってるから受け取れないものもあるんだと気付こうぜ、太牙。


 対深央。
 舞い上がった頂点から、地獄の底まで落ちきっちゃった感じだよね。深央ちゃんに関しては。自分を殺したいと思うほど渡を好きだったのかという絶望と、それでも自分を庇ってくれたという虚しい希望と。ダブルパンチだもんね。刺されながらも深央を庇ったのは、本当に好きだったんだろうなあ…。奇しくも親子揃って今回クイーンに逃げられた(という言い方はなんだが)んだけど、結局二人ともクイーン自身を嫌いになれてはいないんだな…。愛なんかいらない、知らない、と言うわりに、一番人間くさいよ、この二世代キング。
 それでも、太牙の想いが深央を完全な深淵からは救ったんだろうから、やっぱりテーマは愛だろ、愛愛愛!かなぁ。泣ける。


 むむ、太牙だけで語りすぎた。以下、ちょっと駆け足で。


■渡
 今回の可哀想助演賞。渡も渡で可哀想過ぎる。戦いたくない兄はガンガン攻撃してくるし、彼女は兄を庇って落命。つか、自分の手でトドメを刺してしまった。そのくせ本当は想いが通じ合ってたわけで、やりきれなさはひとしおでしょう。渡のことだから深央も太牙も恨めないんだろうし。ここで太牙を庇ったことを理由に「そんな女」と深央を見限れるような人だったら、ここまで苦しまずに済むのにな。
 次回予告で「僕は生まれてきちゃいけないんです」って言ってるのは、言ってみれば引きこもりが回りきっちゃったのかな。誰かを傷つけないために誰とも会わないと決心→それでも自分らしく生きてみようと思った→彼女や嶋さんの死、兄との対立激化、という「行動しちゃったことによってより悪いことが起こった」という状況で、それならば自分自身の存在を生まれる前に消し去っちゃおうとしたんじゃないかと思うんですよね。自分が居なければ、太牙と深央が順当に結ばれて幸せになっていたはず。自分が嶋さんを太牙に預けなければファンガイア化されずに済んだはず、ひいては死なずに済んだかもしれない。自分が居なければ深央を殺してしまうこともなかった。そう考えても不思議ではないかな、と。キャッスルドランに行けば過去には飛べるわけだし。
 でも、少なくとも音也と真夜という、自分が生まれてきてくれることを望んでいた人がいたことをちゃんと自覚してほしいな。だからこそ、来週音也と対面するんだろうけど。ということは、これで今年も映画はパラレル決定かな。あの劇場版を経た後で、「自分は生まれて来ちゃいけなかった」とは思わんだろう。多分。


■嶋さん
 嶋さんはやっぱり徹頭徹尾人間で、だからこそ今回の悲劇が起こっちゃったんだろうなぁ。そして最初から最後まで人間であろうとしたんだろうね。人間としての生き様を太牙に見せ付ける、それが嶋さんの父親として最後に選んだことだったんだと思う。太牙と決着をつける前に一度人間の姿に戻ったのは、(ファンガイアの力は使うけれども)「俺は人間として戦う」という意思表示かな。人外の力を手に入れて、それでも人として他人(太牙)の為に戦うって、嶋さんもやっぱり「仮面ライダー」だよ!哀しいなぁ。
 ファンガイアの力を「邪悪」と言い切って、しかもそれを渡に言っちゃう辺り、泰然としてるようでもどっか空気読めない、ある意味どこにでもいる普通の人なんだろうと。(まああの状況で渡に気を使えっていうのも酷な話だ。)だからこそ、自分を捨ててでも太牙に向かっていった姿が本当にカッコよかった!まさに「オヤジの背中」だったよ!
 邪悪な力と言いながら遠い目をしたってことは、「そういう衝動を抱えながらも人間の自分の傍で生きていた太牙」に思いをはせてくれてたんじゃないかな。そうだといいな。実際の太牙は「理解されない苦しみ」にもがいていたんだとしても、気に掛けてくれている人がいたというのは、太牙にとって救いだと思う。


■深央ちゃん
 ああやっぱりか…。やっぱりあれだけ立てまくった死亡フラグからは逃げられなかったか…。正直、自分の想いを成就する為に太牙抹殺を依頼した時点でヤバいとは思ったんだけども。どれだけ「自分を変えたい」「新しい人生を生きたい」という切なる願いがあっても、私利私欲の為に他人に手を上げることを厭わなくなったらダメなんだよね。あと、渡を手に入れる為に「自分が変わること」じゃなく「状況が変わること、変えさせること」を望んでしまった、それもマズかったんだろうな〜と思います。それを考えると、自分を変えてみたいと言って、自分から好きな服を買いに行ってみたり、指輪を選んで欲しいという意思を渡に伝えていた深央は、自分自身が状況を打破しようとしていたんだよね。その時は少なくとも成就したわけだから、対照的だな〜と。
 ただ、前回や今回、自分の言葉にどんどんはしゃいで行く太牙を見て良心が咎めたような表情をしていたり、今回一度は傷つけた太牙を庇ったりという、反省(微妙に言葉が違うんじゃないかって気がする)があったこと。それから自分の手で太牙を始末しようとしたこと(=自らの手で運命を切り開こうとしたこと)で、命は落としたけれども、メンタル的には救われて逝ったのかなぁ……と。渡の気持ちが深央に向いていたことは解っただろうし、最後に好きな人の顔を見られたわけだし。
 言っても詮無いことだとは解ってるんだけど、もし深央ちゃんがファンガイアでもクイーンでもなかったら結末は違ったんだと思うと切ないです。深央ちゃーん!


■名護さん
 前は嶋さんに引導を渡すなら名護さん、と思ってたんですが、そうはならなかったですね。

(ファンガイアを育てるという、名護さん的には)罪を犯したけれども、断罪はしない、そういう解決法もある、みたいな方向に行くんじゃないか、生きて罪を償う道を用意してくれるんじゃないか。(嶋さん的には「俺を倒せ」と煽りそうだけども)だからこそ「俺は罪を犯していない」といっていた実の父親の件と対になるんじゃないか。
 と言うようなことを先日チャットで話していたのですが、どんなもんでしょう?単純に、一度は実の父を殺してしまった(自殺に追い込んでしまった)トラウマから、擬似父ラインの嶋さんを死に追いやることはできなかった、ってことなのかなぁ。名護さん自身の言動を見る限り、もう父親の件からは脱却してる気もするんですけどね。あれだけこだわってたボタンを省みなくなったし。(今そんな余裕がないだけかもしれないけど)
 次回は嶋さんの跡を継いで云々言ってるから、今後どうするのか、非常に気になります!


■ビショップ
 裏切りフラグが来た気がするんだっぜ!
 太牙の結婚式に居たのは、やはり深央の監視のためかと。クイーンやキングがどういう基準で受け継がれているかいまいちハッキリしないんですが、キングは血縁、クイーンは適格者に力を譲渡、みたいな感じに見えます。そうするってーと、ファンガイアとしての秩序を守る為に必要なのは、ぶっちゃけキングのみ。最近は真面目に仕事をしていたとはいえ、深央の動向には注意を払っていて当然でしょう。実際事件が起こったわけだし。
 ただ、ビショップの誤算は、ここで太牙が深央を庇ったことかな。太牙が「深央を殺せ」とか「力を奪え」と言っていたら、ビショップはそれに従い、さらに次のクイーンを探したんだと思うんですよ。それが深央を助けようとした訳だから、ビショップ的には「このキング……早く何とかしないと」になった可能性があるかな……と。ただしそうするとキングの血脈が途絶えちゃうわけだから、それをどうするつもりなんだろうね。渡のファンガイアの血を再び目覚めさせて、キングの後釜に据える気だったりするのかな。しかし渡にはクイーンの血は流れてても、キングの血は流れてないぞ?うーん、しかしラスボスフラグまで立ってきたような気がする。なんとなく。


■過去編
 音也が認めちゃったときからそうだったんだけども、もう完全に音也と真夜は通じ合ったんだね。音也の奏でる音楽が、真夜には聞こえてゆりには聞こえなかったってのが、非常に象徴的。音也の音楽(生き方)に響きあったのは真夜の方だったと。気持ちってのは理性ではままならないものとはいえ、やっぱり一話からゆりを見てきた身としては切ないよね。
 真夜がゆりを助け、音也があれだけボロボロなのにもかかわらずゆりを守ったってのが、また非常に象徴的。というか、一人のファンガイアを倒したことも含めて「二人初めての共同作業」だよね。息子は現在で深央の指に指輪を嵌めてあげることで、音也は闘いの中で真夜と共にゆりを守ることで「結婚式」を挙げたんだな。そうすると、音也のタキシードはイクサだったわけですね!(笑…いや、笑うところじゃないのか)しかし、現在編の二組がどちらも別れてしまったことを考えると、真夜と音也も添い遂げられない運命か…。いや、この件に関しては最初からわかってたんだけどもさ。結婚と別れがすぐさま直結って悲しいな。
 ここの音也の、自分が動けない分を相手の動きを止めて止めを刺すってバトルがすげー好き!あるものをどうにか工夫する、というプロっぽい戦闘なのと、音也らしい格闘メインのバトルのダブルパンチ!ああ、かっこいい…!


 そして音也の音楽が響かなかったもう一人といえば、過去のキング。ホントに過去キングは真夜との件に関してのみで言えば悪いことは全然してないんだよね。むしろ現代の太牙を逆になぞるように、彼も掟から脱却できなかった一人かもしれない。それを考えると、このまま過去キングを倒すっていうのは、なんというか切ないんですが。しかしまあ、最初からある種の絶対悪として登場してるしなぁ。生き延びる道はないのかもなぁ。うーん。
 真夜から力を奪ったのは、それが掟だからだったんだっけ?ちょっと自信ないや。生きながらえさせる必要があるとするなら闇のキバの鎧をどうにかするためなんだろうけど、それも奪ったクイーンの力と共に次のクイーンに与えてしまえばいい話なんじゃ。それをしなかったってことは、やっぱりキングはキングなりに真夜のことを愛してたんだろうね。太牙の話からすると、闇のキバの鎧は真夜にキングが預けたってことだから、考えようによっては成長した息子に母親を会わせてやる口実として預けたって気もするし。嶋さんは人間として、キングはファンガイアとして、やっぱりどっちも父親だったのかなぁ。とか。
 ……こんなこと考えてたら、ますますキングを倒しちゃうのが不憫でならんよ!


 そういえば、ファンガイア(クイーンとしての)力を奪うってのは、そういう能力があれば誰に対してもできるもんなのかね。いや、なんとなくビショップが太牙からキングとしての力を奪い、自分のものとしてラスボス化とか考えたんだけども。しかしファンガイアとしての業を背負って生まれてきた太牙からそれを抜き取るってのはないかなぁ。作劇上。そうそう、それから深央が逝った後、クイーンの力ってどうなったんだろう。力を譲渡する前に死んじゃったらそこで途絶えちゃうのかな。それならルークが復活しない理由もつくと思うんだけど、そしたらキングの力がいつ太牙に継承されたのかわかんないよ!あ、それが次回の話?


■記号
 あああ、気になる!すっごい気になるのに、何かわかんない!なんだこれ!


■井上
 ……丸くなったね、御大。心境の変化?それともPの色の違い?



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