路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

#10 ファイズ学園の怪盗

 いつからディケイドは「テニスの王子様」と「花より男子」になったんだろう(笑) そして学園ものってのが無駄に新鮮だ!響鬼でも学校生活は出てきたけど、明日夢は鬼にはならない人だったからさ。新キャラも本格的に登場して、相変わらずついていくのが大変です。おもしろいからいいけどな!そして士の過去にも徐々に触れてきたところで、士の揺れっぷりにも今後期待したいところ。
 色々考えてるとまとまらないので、さらっと思ったところだけ行きます。さらっと。


■555の世界
 なんでいきなり学園ドラマなのか!(笑) 組織を無理なく入れ込むとしたら、会社か学校ってとこなのかな。それでいて流星塾とのイメージともつながるし。そこに学内権力者をいれると、とたんに「花より男子」になるわけだが!ラッキークローバーがF4か!(笑)
 しかしまあ、学校という一種の治外法権的というか、世間の流れとは時間が隔絶してるというか、そういう舞台装置としては学校って結構良いとこ行ってるんじゃないかと思う。「異質なものの排除」という意味では会社組織よりも適してるんじゃないかな。


 555はベルトの物語というだけあって、ベルトの持ち主、ひいてはファイズの正体が前半の重要な部分にあったけど、真世界ほどにはベルトが主役って感じはしないね。やっぱりタクミが人としての自分とオルフェノクとしての自分をどうバランスを取っていくか、どっちに足をつけて生きようとするか、ってのが大きなテーゼになる気がする。


オルフェノク
 真世界との決定的な違いは、オルフェノクが「人を殺す化け物」として認知されてる世界ってことかな。違いというよりも、数の差はあれ「パラダイス・ロスト」の世界観に近いか。
 スマートブレイン高校には入れなかったと言ってるオルフェノク女子が居たけども、あれは実際のところどうなんだろうねぇ。オルフェノクだから世界(学校)から拒絶されたとも取れるけど、逆に人間を学校内に囲い込むためにオルフェノクは最初から除外している、とも取れる。F4ちがったラッキークローバーが偉そうにしてるってところもそんな感じ。
 そもそもオルフェノクは人にまぎれて生活しているようだから、学校側が見抜けなければ、どちらの理由にせよ「オルフェノクだから入学できなかった」ことにはならないはず。ということはやっぱりこっちの世界でも、スマートブレインはオルフェノクの母体組織ってことでいいかな。


 まあ、あの女子の台詞が、単なる脅しというか都市伝説っていうか、怪談を狙ったものなら、上で考えてたようなことはまるっきり意味ないことになるんですけど(笑)


□タクミと由里
 尾上タクミって!まんま苗字がオオカミなのか!(笑) 「ともだゆり」も「そのだまり」と韻が似てるし、こういうところうまいなぁ。センチピードの彼は本読んでるし(笑)


 ファイズはヒーローである、しかし、ファイズオルフェノクでもある。オルフェノクは人類の敵である。こういう要素が並べられた時に、ファイズがヒーロー足りえるためには、タクミがタクミであり、タクミはヒーローである、というところに落とし込むしかないと思うんだよね。その為にはタクミと由里に焦点を絞ったのは良かったと思う。
 タクミは現時点では自分自身がオルフェノクであることには納得しているように見える。でも「オルフェノクは敵」の世界観の中でファイズであることは肯定され、オルフェノクであることを否定された場合、オルフェノクとしての自分を忌避する可能性もあるかな。そうするとタクミは巧でありつつ、木場の要素も持ち合わせてることになるんじゃないかと思うけども。


 真世界はヒーロー(人間)であり怪人である二人の折り合いのつけ方、生き方を主軸に据えていたので、そのまま持ってくるとヒーローが二人になっちゃう可能性があるし、何より2話で収まんないんだよね。その辺から言っても、タクミと由里に集約しちゃったのはありだと思う。タクミには啓太郎の要素も入ってるっぽいし。


□ラッキークローバー
 ケイン!ケインじゃないか!(笑) そして若くてまだあっさりしたビショップがいるよ!(違) いやまあ、そんなことはともかく。
 センチピードとロブスターは外せないとして、クロコダイルが居ないね。ドラゴンも北崎さんの貫禄が無くて、もうちょっと若手っぽい。そして見たことないオルフェノクがいるよね?これはクウガ世界のガミオみたいに、このファイズ世界でのラスボスってことになるんだろうか。アークオルフェノクとも違うような?まぁ、王は眠りについたしな。


■海東大樹
 いい具合に「自分は君を知ってるんだよ?」という馴れ馴れしさを出してて、思わせぶりなことばかりするくせに、謎はまるで解き明かしてくれないという。士に自分のまねをするなとは言うけど、別に士の過去の記憶を取り戻そうともしていない。うーん、一体どういうスタンスになるんだろうな。
 ディエンド、ディケイドのシステムは明らかに同じテクノロジーに根ざしているし、それを使える資格者(?)の二人が繋がりがあるのはむしろ必然。やばい、どんどん楽しみになってきた!


 とりあえず、大樹が何をやろうとしてるのかってのは、まだまだ妄想しかできないんですが。
□9つの世界を巡る
「僕の仕事だ」というのは、どういう意図で言われた言葉なんだろう。士は渡から「9つの世界を旅して全てを破壊しなければ、この世界(10番目の夏海の世界)は滅ぶ」と言われて旅をしてる。大樹にもそういうことを示唆した誰か(渡、もしくは他のオリジナル(?)ライダー?)が居たってことなのか。それとも、実は世界を再生させるために世界を破壊するライダー(ディエンド=the end)というのは実はその役割を負った人間(大樹)が居たのに、渡が士にその役目を振っちゃったのか。


 大樹は「何か」を集めてる。ディケイドがライダーの力を手に入れてることを考えると、ディエンドも多分そう。ディケイドの持ってるカードには、おぼろげながら各ライダーの姿が映りこんでるけど、「めぼしいもの」という言い方からすると、ディエンドのカードは完全なブランクなのかもしれないね。
 そして、大樹の主軸は「世界を救うこと」にあるのか、「ライダーの力を集める」ことにあるのか。後者だとするなら、集めた力で何をするつもりなのか、というのも気になるところ。


 そして海東大樹という名前。海東はそのまま「海の東」で日本のことかな〜と思ったりする。そうすると大樹ってのは列島を樹の姿になぞらえた?
 そんなわきゃないな〜と思うのだけども、大樹という名前で最初に思い出したのが「生命(セフィロト)の樹」。あれもセフィラが10個あるしね。隠された奴を入れると11個。9つの世界を巡って10番目の世界にたどりつく、ってのもなんかディケイドっぽい。ということは大樹や鳴滝、あと士も、11番目の隠されたセフィラの住人なんじゃないかな、とか。士は「±」かなと思ってたんだけど、むしろ「隠された十一」なんじゃね?っていう。さすがにこじつけすぎか。


□士との関わり
 なんでこんなに「幼馴染み」を主張するんだ、この人!出てきたのがファイズの世界(正確にはブレイドの世界だけど)で、士がファイズの世界にやたらと反応してたことも考えると、この二人の過去はファイズの世界観に根ざすものもあるんじゃないのか。ファイズの世界観というと「人であり、化け物である」というところ。あと幼馴染みというシチュエーション的に流星塾ってのも引っかかるかな。まさか直球に士も大樹も人外の存在ってことはないと思うんだけども。そうだな「9つの世界以外の人間」という意味で「(9つの世界の)住人であり、住人でない」という辺りに通じるとは思うけど。
 しかしそうするってーと鳴滝がディケイド(士)を知っていることも含めて、鳴滝は花形ポジでもあったりするんだろうか…。


□鳴滝との関わり
 今までは、上位→下位の存在という流れで、鳴滝>士>9つの世界という認識でいたんだけども、少なくとも鳴滝と大樹は同位の存在っぽい。そして大樹と士も同位っぽい。ということは、鳴滝=大樹=士>9つの世界ということになるのかな。上位下位というと違うな、高次低次というか。
 ライダーシステムが一つ増え、高次の存在と思われる人間の数が増えたことで、ますます9つの世界の箱庭感が増してる感じ。鳴滝も大樹の力は認めてるっぽくて、ライダーを呼ぼうと思ったけどやめたんだよね。つーことはむしろ大樹>鳴滝=士>9つの世界だろうか…。


 鳴滝のことだけでも解んなかったのに、大樹の出現で、ますます世界観がこんがらがってきた。さて、これどうやって落とし前つけるんだろう。


■士
□スマートブレイン高校生徒
 いやー。今までだってコスプレ感まんまんだったけど、今回はまたすごいなー。学生服かー(笑) うん、そりゃユウスケだって笑うだろうよ!スマートブレイン高校はブレザーなのに、士は学生服ってところが、ものすごく端的に異質感を出してるよね。これは大樹が私服だったり、ラッキークローバーがまた別の制服を着てることにも言えるな、と。実際、士と大樹はこの世界にとっての通りすがりな訳だし、ラッキークローバーも人間じゃない。異端者はやっぱり別の服を着てるわけだ。そうか、ラッキークローバーの制服が白基調なのって、正体がオルフェノク(白つーか、グレー単色)だからか。


 そして、なにあの「テニスの王子様」!いやー、遊んでる、遊んでるだろ演出!(笑) しかしまあ、あまりにもちょっとカリカチュアライズ過ぎやしないでしょうかね。まあお遊びの範疇か。
 それにしてもこのシーン、妙に草加と巧の勝負(かなり初期にあったやつ)を思い出すんだけども!狙ってるのかやっぱり。


□カメラ・写真
 士が自分のカメラじゃないもので撮っても、やっぱり像が歪んだってこと、そして同じカメラを使ってるのに由里にはちゃんとした写真を撮れてるっていうのがなんか切なかった。士が由里の写真を褒めたのは、自分ではああいう風に美しく世界を切り取ることができないという寂しさがあったんだと思うよ。今回は「ここは俺の世界じゃない」とは特に言ってなかったけれども、もっとこうリアルに「お前は違う」ということを突きつけられたんだろうし。


 写真、カメラ、という士が世界を切り取っている象徴と同じものが出てきて、しかもそれがどうやらキーになりそうな感じ。ということは士のカメラや写真と対応して何かの象徴になりそうだけども、さて。それはやっぱり、タクミと由里の絆になるのかな。


□ユウスケと士
 ユウスケはユウスケでご飯食べてたり、おじいちゃんの料理を褒めたり忙しくしてるんだけども、なかなか士と絡まないねぇ。
 ユウスケが士になかなか絡まない要因の一つには、ユウスケが変身しないせい。これはどういう理由があるんだろう。ディケイドが強くなっているからユウスケが変身する必要がないのか、それともクウガの世界を離れたことによって、ユウスケのベルト(アマダムとは限らんか)が機能しなくなってるのか。
 士とユウスケで破壊と再生を司ってるっぽいというのは解るんだけど、今のままの状態が続くとほんとに内助の功(笑)みたいになっちゃうからさ。こう背中を預けて戦って欲しかったりするわけなんだけども。


■バトル
 オルフェノクー!とかファイズー!とかいろいろあるはずなのに、ディエンドの登場で何もかもが抜けた。ずっこいよ、ディエンド!


□ディエンド
 なんつーか、ディケイドに輪をかけて変身が痛そうですな。カードの枚数も多いし、角ばった造形だから余計にな!
 そしてライダー召還ですよ!今回は歌舞鬼とレイだけど、これはオリジナルの声じゃないね。オリジナルの声でしゃべるライダーは、鳴滝の専売特許なんだろうか。大樹が何かを集めてるっぽいことを考えると、大樹が操ってるのはライダーという形(依代)を取った力そのもので、鳴滝が呼んでるのは各世界をつなげてライダーそのものを呼んでる、ということになるのかな?もしそうなら、川口くん声じゃなかった轟鬼はディエンドの召還ってことになるだろうかね。


 ていうか、このシステムの差があると、ディケイドとディエンドが戦ったら、ディケイドが圧倒的に不利じゃないか!えー。ああ、だからディケイドは各世界のライダーと人としての繋がりを得ているのかな。ユウスケが召還されたように、他の世界のライダーに助けに来てもらうことが可能なように。
 ……誰がそれをやるんだ。鳴滝か。鳴滝なのか。実は対立構造がひっくり返る布石が、こんなところに潜んでいたりするのか。


■予告
 もー!FFRのネタバレ勘弁ですよ!えーと、オートバジンとファイズが合体してるっぽい?



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