路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

Task.14「甦る過去」

 菜月話というか、菜月&真墨話。「甦る過去」と言いつつ、実際には『過去を振り切る話』なんですね。
 他のメンバーもそれぞれ過去に傷を抱えつつ(それなりに)前向きに今を生きているわけですが、菜月だけは傷というよりも生き方自体が存在してなかったんですよ。そこを曖昧にしてしまったままだと「これからを生きて行こうとする」前向きのエネルギーが、実体は過去を埋めて行くことだけに向いてしまいかねない、と。なので一度ゼロにリセットすることで、これからを積み上げて行かせようとする話だったのかな〜。ここが本当の「間宮菜月」の誕生だった、というか。
 覚醒のきっかけが、菜月自身を肯定する言葉だったってのも、「誕生」話っぽいなーと思ったりします。望まれずに生まれる子供は居ない、的で。


 ダークシャドウは、菜月の過去の記憶がないことを利用して造反させようとしたんだけども、こういう過去を捏造して精神的に懐柔しようというやり口が、忍者モチーフらしいというかなんというか。同じ策を弄するにしても、ガジャ様はもっと知恵比べ的になる感じだし、リュウオーン様は騙して罠にかけるパターンが多くなる気がする。ヤイバ様は真墨にも「お前の中の闇が」って勧誘かけたりするし、今回の作戦もヤイバ様の立案かもね。そうして考えると、シズカだけは蒼太と因縁ある感じだけど、ダークシャドウという組織としては菜月&真墨と因縁があるね。
 それにしても、ネンドガミが見せた幻やら過去の捏造は、なんというかピンポイントで菜月の弱みを突いてたな〜。過去そのものというか、真墨と菜月の絆にポイントを絞ってたというか。逆に言うと、それだけ菜月と真墨の結びつきは強いってことか。その絆を断ち切られた時、うまくすれば菜月の能力だけでなく、真墨の闇落ちの可能性もあったわけで…。一石二鳥を狙ってたんじゃないかって気がしますよ、ヤイバ様。恐ろしい人…!


 それにしても、真墨はどんだけオカンなんだろうか。ココアのシーンとか、とにかく言葉の端々がどうしようもなくオカン属性。こんなんであれやこれや世話を焼かれたら、そりゃ菜月だって真っ直ぐ育つだろうって感じですよ。
 しかし、それを補って余りある「お前が可愛かったからだー!」は、屈指の名ゼリフだね!その後の「真墨のばかばかばかばか!」もあいまって、もうなんという黒黄!可愛すぎですよ、二人とも!


 それにしても、今回の「アメノカナヤマノハガネ」はなんというか、陰の薄いプレシャスだねえ。草薙の剣の原料になったとされるとか由来は物々しいんだけど、結局今回はプレシャスそのものには殆どスポットが当たってないからね。菜月の洗脳をしたのも、巨大戦で真墨に化けたのもネンドガミの能力だし。
 ああそうか、なんでこういう特技のあるツクモガミを使ったのかとおもったら、アメノカナヤマノハガネが手に入ったら、ネンドガミの能力で大量破壊兵器を作ろうと画策してたのかもね。アメノカナヤマノハガネを切り売りして使えるんだったら、原材料は手元に残しておいて、材料費+加工賃ってことで相当稼げそうだもんね。 それを考えると、リュウオーン様の手に入ってしまってたらあっさり人類がヤバかった気がするので相手がダークシャドウでまだ良かったのかもな〜と、思ったり思わなかったり。


 今回の特筆すべきは、やっぱり巨大戦の真墨に化けたネンドガミでしょうな!菜月を操ってた時は「仲間に攻撃できない」という隙をつけたから、それの応用のつもりだったんだろうけども。はっきり言ってあれ、菜月が言わなくても合理主義の塊のボウケンジャーには全く意味のない作戦だったと思うんですよね。なんせ、自分と同じ姿をしたヴリルをまとめてコンクリ詰めにした蒼太さんがいるんだぜ(笑) 本物がコックピットにいるのに、アレで怯む訳がない。
 菜月の過去をチクチク突付くのは上手かったけど、詰めが甘かったな、ネンドガミ。可哀想に。それにしても、生身の人間VSロボという構図は非常にシュールだった。おもしれー。


 今回は全編通して菜月と真墨の話だったもんで、他のメンバーはちょっと控えめ。しかし、アレだけ真墨が頑張った成果をあっさり掻っ攫って綺麗にまとめるチーフはさすがですな。その辺、実にチーフはお父さんチックだ。(2008/11/18記)


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