路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

#39 シャウト・狙われた兄弟

 前回の感想でこんな事を書いたんですが。

キングは鎧を継承し、クイーンが駆動キーに当たるキバット族を従えてるって事になるのかなぁ。(中略)鎧そのものはキングの血筋として継承していたとしても、駆動キーが無かったってことになるんじゃないかな?

 これ違うよね。キバの鎧がキングの血筋だとしたら、渡がキバを使えるわけないじゃん。じゃあってーと、キバの鎧は実は真夜(クイーンの系統)で、駆動キーがキバット族ってのが自然といえば自然ですかね。これなら、サガは鎧は受け継いだが、駆動キーたるキバット族が居なくて、代替用品のサガークで鎧を起動しているという考えとも矛盾しないかと。キングとクイーンの婚姻が連綿と掟として続いているなら、前キングの母も前々クイーンだったってことだから、前キングが使ってる鎧の出所は問題ないし。
 すると、キングの血筋からは、ザンバットソードが受け継がれる事になるのかな、多分。キング→剣、クイーン→鎧、キバット族→鎧の駆動キーという三位揃って初めて正統なファンガイアの王たる資格が揃うのだとしたら、これは確かに安全装置としてはなかなか優秀にできてる気がする。
 もしこの仮説が正しいとするなら、本来渡にはザンバットソードが使える筈はないことになるんだけどね。きっとキング以外が使おうとすると魔剣と化して持った人間を滅ぼそうとするんだろうけど、その分をお供ンスターズが抑えてくれたから渡も使えるようになった、とかかな?
 あれ?でもばっちり「キングの鎧」って言っちゃってたっけ?ちょっと自信ないなぁ。あー、あれだ。系統としてはクイーンのものでも、キングとクイーンの婚姻が既定路線である以上は実質キングにのみ受け継がれる鎧って事になるから、実際を表す言葉としては「キングの鎧」でも問題ないってとこで、どうだ。実際問題、クイーンと人間の間の子供の渡って存在自体がイレギュラーだしな。


 などという考察は置いておいて、とにもかくにも渡が大変なことに!
 今回は全体的にメンコを思い出します。色んなカードがとっ散らかった中に「渡が半分ファンガイアである」「(渡が自分の意思で)人間とファンガイアの架け橋になりたい」というカードを打ち込んだら、あっちこっちのカードがきれいにくるりと反転して、構成する人物は変わらないのに様相が一転するという。
 ここから更に別のカードが打ち込まれて事態が更なる展開を見せるのか、それとも…ってとこですか。うわー!目が離せねぇ!


■渡と太牙と深央
 一番のメンコはここでしょうね。深央も太牙もそれぞれの事情で渡にファンガイアだということは知られたくなかった。それが、実は渡もファンガイアだという事実が発覚したので、もう遠慮する必要は無くなった、と。そんな訳でファンガイアとしての自分を見せてしまったわけだけども、それは太牙や深央にとっては地続きの自分であっても、渡にとってはそうじゃない。むしろ幼馴染として仲良くしてたことや、付き合っていた時の記憶からすると、裏切られたと思っても仕方が無い豹変っぷりを見せられてしまった訳ですよ。視聴者的には太牙と深央の非情な部分も見てるんだけど、渡はそうじゃないからさ。
 二人がファンガイアだと知った時も「なぜ、どうして」という思いはあったでしょうけど、それでもまだ渡としては二人は味方……というか、自分を害する立場ではないと思ってたんだと思うんですよね。誤解が解ければ仲良くできるかもと思ってたというか。その辺、渡にとっては「人間である」「ファンガイアである」という区別は余り無かったんじゃないかと。大村さんの例もあるし。でも太牙と深央にとってはその種族の差こそが大きな問題だった訳で、ここにすれ違いが発生してるんですよ。
 裏切られた、と思っても仕方のない側面を見せられてなお、人間とファンガイアの架け橋になりたいと言い出した渡の強さは本物だと思うけど、その本物の強さがまた渡るを追い詰めちゃった訳で。この渡の願いがかなうことはあるのかなぁ。あってほしいなぁ。


■嶋さん(素晴らしき青空の会)
 嶋さん、ひどい!表面上は握手しておいて、裏では排除の計画立ててるって、えげつなさ過ぎる!今まで嶋さんと渡の間にはそれほどの関わりがあったわけじゃないですけど、それでも臨時メンバーとして任命されてみたり色々つながりはあった筈なのに、それも全て無かったことにって!ちょっと待てー。これもやっぱりメンコの一部だよね。
 まあ、それだけファンガイアへの遺恨が深いってことなんだろうけども。そしてそれに太牙が関わってるんだろうけども。太牙と対峙してたとき、あれは場所と服からすると葬式だったのかな?そこで嶋さんは太牙に深手を負わされて、それで人間とファンガイアの共存は絶対出来ないという結論に達しちゃった訳か。
 それでも太牙を止めようとしてたってことは、太牙が何をしようとしていたか(何ができるのか)を知ってたってことで、阿鐘の台詞もあわせると、嶋さんが太牙の育ての親もしくは、育ての親と近しい人物だったってことだろうなぁ。
 つーことで、ますます太牙の生い立ちも気になりますね。人間に育てられて、あの回想シーン辺りでビショップに見つかってキングとして迎えられたってことじゃないのかな、と思うんですが。そう考えると渡に言ってた「寂しかったんだ…」っていうのは、相当切実だったんじゃないのかな。人間に育てられてた間の太牙の自覚的にどうだったかは解らないですが、少なくとも当時育ててくれた人間は別種族だった訳だし、ビショップに迎えられた(?)後は両親とも居ない、という状況だったのではないかと。ビショップは飽くまで臣下としての態度を貫くだろうし、ファンガイアのキングとして君臨していても、周りに太牙を太牙として認めてくれる他人は居なかったのかな〜とか。


■名護さんと健吾
 すごい。なんかあらゆる意味で初期と立ち位置が完全に逆転してる!色んな事情があって徐々に変わっていっていたとはいえ、今回の中でも見事なひっくり返りっぷりですよ。やさぐれ健吾はこの後どうなっちゃうんだろう…。客観的に悪いことはしてない訳だし、死にオチとかは無いと信じたいんだけども。
 そして名護さんまでがシリアスに飲み込まれると、話全体がかなり締まりますね。つーか、締まりすぎて後半息苦しいよ。前半はうまくコメディリリーフしてくれてたんだけども。つーか、大事な話のセッティングで、場所のセレクトはともかく、自分が紋付はかまってどうなんだ。そのまま渡を嫁にでも貰うつもりだったのか。むしろ、渡と素晴らしき青空の会の仲を取り持つ仲人のつもりだったのか。なんにせよおかしいから。
 しかし、あの忠告のシーンと、健吾からキバを庇うシーンはぐっときた。名護さんが渡を気遣った、という面に関してもそうなんだけど、あのシーンは名護さんの考える正義と自分の良心を天秤にかけて、良心のほうを取ったシーンなんですよ。カフェのシーンはまだどちらとも決めかねていて迂遠な忠告で済ませていたけど、ライフルを撃ったシーンは、明らかに良心に従ってたと。
 名護さんの父親の件に関しては、恐らく正義と良心が葛藤して正義に天秤が傾き、その結果の父の死で名護さんは常に天秤の正義の側を重くするように自分でバイアスをかけていたわけですが、今回それが崩れたんですよね。つーことは、あまり健全ではないバランスで正義側に傾いていたバランスが良い具合に戻る予兆、とも取れます。
 時間軸的にはそろそろ劇場版以後って感じになりそうなので(厳密にはつながらないけど)、当人なりの正義を貫いてレジェンドルガと手を結んだ挙句身を滅ぼした白峰さんのことが頭にあったらいいな〜とか思うんですがどうですか。


■バトル
 再生怪人相手とはいえ、乱戦はやはり盛り上がりますな!剣戟が、やっぱり一対多でざっくざっくと切り倒していくのが似合うので、実に素敵な感じに。しかしそれならガルルフォームにも出番をー!ドッガフォームもー!話は前後するけど、色んな葛藤を乗り越えて、それでも変身する渡はほんと超絶かっこよかった!うん、やっぱりちゃんと主人公だよ!
 そしてビショップの特殊能力も判明。つーか、ビショップってむしろなんでもありなんじゃ…。キバっつーか、渡が錯乱したー!どうなる、次号!


 そうそう、バトルといえば過去キングを忘れちゃいけない。あの畳……もとい紋章の使い方は卑怯だろ、色々!んでもって、キングの役割はファンガイアに楯突く種族が居たら根絶やしにするのが仕事…なのかな。そうやってファンガイアの安寧を守り、それが故に統治すると。そんな感じなんでしょうか。しかし、キバットバット2世の声を聞くたびに笑っちゃうんだぜ。


■過去編
 物語の比重が完全に現在編に移っちゃったので、なかなか見せ場が少ないですな。まあ、仕方あるまい。今後、ゆり、音也、真夜の関係の決着から、真夜と音也の別れ、次狼と音也の約束と、デカイところは色々あるので、今後に期待、でしょうか。


 とはいえ、音也がゆりに捨てられる…もといフラれる土壌は着々と出来上がってる感じ。今回の「真夜がファンガイアだと知っていて付き合いがあった」というのは、女としてのゆりへの裏切りだけでなく、戦士としてのゆり、ひいては青空の会への裏切りでもある訳だから、ゆりの態度もむべなるかな。それでもまだ完全に分かれるに至らないっていうのは未練があるからだろうし、地味にもう一回転くらいしそうなんだけれども。


■記号
 8分休符かな。ここで一拍置いて、次からまた怒涛の展開、って感じな気もしますが、今回十分に怒涛の展開だった気がするしなー。まあ、そもそもこの記号と本編の内容に相関関係があるとも限らない訳だけれども。



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