路地裏散歩

特撮とかアニメとか感想と犬。

#40 アンコール・名護イクサ爆現

 名護祭り…!これ以外に今回を表現する言葉があるだろうか。いや、無い(反語)。
 それくらいものすごい勢いで名護祭りでしたね!すごいよ、名護さんかっこよすぎるよ!今なら何の他意も含みも無く言える!「名護さんは最高です!」(もっと大きな声で!) いやもう、ホントに名護さんカッコよすぎですから!
 そして一方では、太牙の生い立ちもベールがはがされてきつつありますよ。更に渡は引きこもりに逆戻り。あーもう、気を抜けるところが一つとしてないんですが!


■名護さん
 文句無く、今回の主役ですね。まさに爆現。しかし、爆現って自分で言うんだ!ものすごく端的に今回の名護さんを表していてメチャメチャカッコ良いのに!でも自称(笑)こんなところまで外さないな、名護さん!名護さんは最高です!


 今回名護さんがここまでとんでもなくカッコよかったのは、「自分の正義」のためじゃなく「渡のために」行動してるからなんですよ。名護さんって世間の正義からすれば、今までだって決して間違ったこと、悪いことはしてないんですよ。基本的に。まあ、突っ走る余りにはた迷惑ではありましたが(笑)
 ただ、その正義の目的が結局は自分のためというか、自分の正義の誇示のためだったのが今回完全に「渡の為」という利他的な動機だったことによって、名護さんのカッコよさが純化して表現されたのかな〜と。渡に電話かけたときも、健吾を気にしてたしね。興味なんか最初からなかったとか言っといて!このこの!こういうの見てると、結局「誰かのために戦うヒーロー」って無条件にカッコいいんだなと思います。ぬあー、たまらん!
 そしてその「誰かのため」というのが、渡と名護さんできれいに対比してるんですよね。戦う力を持ってるにも関わらず誰かを傷つけないため(自分が傷つかないため)に内に篭る渡と、戦う力を持ってなかったのに渡のために頑張った名護さんと。そんな名護さんは後半でイクサを取り戻したので、渡も次回は戦う意志を取り戻して欲しいところですね。しかしまあ、かなり道行は大変そうですが。


 こうして考えると、名護さんが過去に行ったのが実に上手く効いて来てますね。過去に行って真夜に会う前の名護さんだったら、キバ=渡を知った時点で問答無用で抹殺に入ってんじゃないかな。遊び心も挫折も知らないし。
 それが初恋と失恋を同時に知って、しかもその彼女の息子がキバと。驚きは驚きでしょうがキバの正体まではともかく、ファンガイア(ハーフ)であったことは半ば以上予想はしていたので、耐性もあったし受け入れられるのも早かったんじゃないかな。そういえば、現在編ではファンガイアの人間体と知って好意的な交流があった人(恵→ルークのラインは、最初から敵対関係が成立してるから除外)っていないんじゃないか?渡と嶋さんマスターは別として。そういう意味でも名護さんが過去に行って真夜と接触があったってのは必要だったんだろうなぁ。現在編では「ファンガイアにも芸術を解したり、人間的に魅力があるものがいる」ってのを理解してる人いなかったもんね。


 そして渡を救おうというのは、渡自身のためというのもあるでしょうけど、「初恋の彼女の息子を助けたい」というロマンティシズムでもあるんだろうな。更に言うと、(名護さんが音也と渡が親子なの知ってたか自信ないけど)「遊び心を教えられた」という意味で名護さんは音也の薫陶を受けていて、大げさな言い方をすると精神的な息子という言い方もできるかと。つまり渡を挟んだ太牙−渡−名護さんのラインはおのおのの組み合わせでの(擬似)兄弟が、それぞれ渡を自分の世界に引っ張り戻そうという構造になってるのかな〜、と。
 そう考えると、キバっていうのは親子の物語というだけでなく、家族の物語という言い方もできるのかも。


 落ち込む恵を名護さんなりの言葉で慰めようとしてるところも、ちょっとドキドキしたよ!相変わらず言葉の選び方は独りよがりではあるんだけど、「私の言うことだけを聞きなさい」とか言ってた人と同一人物とは思えない!「どんなにまずい食べ物も、やがて血となり肉となる」つーのが、あのキラキラしいセリフ群の中ではちょっと浮いてるんだけど、そのくせ一番本質を突いてるのね。恵にも渡にもそう。ついでに逆説的に太牙にもね。嶋さんから与えられた「まずい食べ物(比喩的な意味で)」を拒否し続けていた太牙に、血となり肉となるものは果たしてあったのかな?


■太牙
 育ての親は嶋さんで確定。しかも真夜から直接預けられたのか…!幾つから幾つの頃だろうね。渡を紅邸に置いていった時には渡は太牙のことを知らなかったんだろうし、渡が生まれる前ってのが妥当かな。そうすると赤ん坊〜1歳位の間?


 互いの立場からの言葉での回想しかないですが、前回の太牙がいなくなった(?)あたりのシーンを見るに、嶋さんは嶋さんなりに愛情は注いだんじゃないかな……と思いたいんですが。しかしまあ、純粋なファンガイアの子供である太牙が人間に育てられて果たしてどうなるのか、というのは前例の無いことだけに未知数だし、しかもただのファンガイアじゃなく、キングとクイーンの間に生まれた次世代のキング。そうすると、愛情を注いだとしても経過観察的にならざるを得ず、そうなると太牙の「モルモットのように観察していただけだ」という言葉もあながち外れてはいないのか。
 しかしそうすると、太牙はいつから水しか飲んでなかったんですかね。実は密かにライフエナジーを誰かから与えられていたのか、それともそういう体質なのか……。後者はないかなぁ。あ。そういえば黒沢は過去からずっと居たような気がするね。実は密かにライフエナジーを届けてたのは黒沢だったりして。それで、ファンガイアのキングとしての自覚を促しつつ養育し、しかし人間の姿で一人立ちしててもおかしくない外見になるまで辛抱してなさい、だったとか。
 それなら嶋さんの愛情を「観察していただけ」と言い放つ視点も持てるだろうし、それなりに注がれた愛情を受け取ることができない精神構造にもなるかな、とか。


 太牙に関しては、とにかくとてつもない孤独を抱えてるってのは解った。「愛なんか何の意味も無い」という考え方になっててもおかしくない生育環境で、それでも「渡は僕の弟だから、僕が愛してやる」なんてセリフが出てくるのは、それだけ愛に飢えていたんだろうと。とはいえ、知らないものを求めることはできないだろうから、誰かから愛情そのものは与えられていたんだといいけどな。……黒沢?
 何か考えれば考えるだけ、太牙が可哀想になってきた。しかし、生きて愛を知る展開には…ならないかもなぁ…。せめて最期は幸せに、と願いますよ。マジで。死なないでくれるのが一番嬉しいけどな!


■渡
 自分がファンガイアとのハーフだったことにはショックだったとはいえそこまで打ちひしがれた感は無かったのですが、その力が他者を傷つけるかも、と思ったとたんに引きこもり、キバの力を放棄しようとする。やっぱり渡は基本的に優しくて良い子なんだよな。ただ、名護さんのところでも書いたとおり、今回に限っては逃避っぽく見えるのは、キバというか、ファンガイアの力を制御するのではなく、放棄しようとしてる辺りでしょうか。
 深央の為には、強くなろうと筋トレ始めちゃったりできたわけだから克己心がないわけじゃないはず。それでもすべてを投げ出そうとしちゃう辺りは、その深央も、それどころか他の誰も信じられなくなっちゃってるのかと。今の渡の状況を思えば「逃避」と断じるのも可哀想ではあるんですが、なんとか乗り越えて欲しいと思うのは、やっぱり期待があるからかな。渡君はやればできる子だと信じてる!


 それにしても、ラストのイメージカット(?)で子供の姿に戻ってましたね。これは、この世アレルギーになって引きこもっちゃう過程がいよいよ描かれる感じかな?今の状況とリンクするのだとすると、渡が小さい頃に無意識にファンガイアの力が発現→自分に恐れおののいて外界を拒絶→それがねじれてこの世の全てのものにアレルギー反応、って感じなのかな。


■過去編
 真夜とゆりの直接対決ー!ゆりとしては必死なんだけど、真夜にはあっさり手玉に取られてて、なんというかとてつもなく空回りですね。今ちゃんと音也と向き合えばまだ間に合うと思うんだけど、それを横に置いちゃってるんでますます状況は悪くなるばかりで、足掻けば足掻くほど音也が遠くなる、と。本当、完全に空転状態だなぁ。


 しかしながら、ここでゆりの人間としての情を見せ付けておくことが、真夜が嶋さんに太牙を預けようとした動機に繋がるのかな、と思ったり思わなかったり。真夜はゆりの見せる人間らしい感情をいじらしくて、いとおしいと思ってるっぽいので、そういう「人間」に太牙を預けることで、肉体はファンガイアでも人間として生きて欲しかったんじゃないかなぁ。そのための人選はもしかするとミスっちゃったのかもしれないけども、それは真夜がまだ人を見る目に長けてなかったが故の悲劇だったんじゃないかとか、そんな気がする。まあ、単純にその場に嶋さんしか居なかったとか、そういう理由かもだけど(笑)


 そして過去キングですよ!……あ〜。この人、カッコつけてっけど地味に小者じゃね?(笑)いやごめん、嫉妬メラメラで足跡に火がつくくらいかっかしながら音也をストーキングしてるくせに、自分が絶滅させようとしてる(=価値の無いものと思っている)ガルル達の力を借りて音也を抹殺しようとしちゃうような辺りが。しかもそれを余裕たっぷりの「私は別にそんなこと、気にしてないんだからっ!」という態度でやるのが、ますます小者感を煽るよ。それも全ては、真夜を愛している自分を否定したいがため、か。こうして考えると、少なくとも先代キングと太牙の間には愛を認められるか認められないかという、決定的な違いがあるように感じますね。さて、これは後から効いて来るかなー?

 延命と引き換えに音也抹殺を申し付けられたガルル達ですが、少なくともガルルは従わないだろうね。バッシャーが引き受けかねないかな。そうするとドッガも敵に回りそうな気がする。さて、この辺はどうやって決着させる気だろう。


■記号
 フォルツァンド(フォルツァート)で「その音を強く」と。これはもう、名護さんのことだろ。それしかないだろ。



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